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ゲームにRPG(ロールプレイングゲーム)と呼ばれるジャンルがあります。ドラゴンクエスト(DQ)とファイナルファンタジー(FF)、この2つのシリーズが日本を代表するRPGといえるでしょう。

小学生の頃は、毎年のように販売されるDQやFFで遊んでいたものでした。僕らはDQとFFの進化を肌で感じながら、共に育った世代です。

そんなDQとFFですが、ファミコン版FF3には苦い思い出があります。
FF3を買ってもらったにもかかわらず、途中で挫折してクリアせずに終わっていました。
ラストボスに続く最後の最後のダンジョンがあまりにも長く、今でも語り継がれるくらい有名なのです。その上、ゲームの記録を保存することもできず、途中での中断ができないのです。2~3時間くらいぶっ通しでプレイしないとクリアがかなわないものになっていて、当時小学生だった僕は挫折したのでした。

そんな折、TSUTAYAをふらついていたらニンテンドーDSでリメイクされたFF3を見つけたのです。久しぶりにやりたくなり、思わず手に取りました。

結論から書けば、懐かしく、そして楽しくプレイできました。

やっぱりラストダンジョンは長く、正直辟易しました。けれども、この歳になれば徹夜プレイもできるしても誰かに文句を言われるわけでもないので、根気さえあればクリア可能です。

でも、FF3の魅力であるジョブチェンジは楽しかったし、クリスタルを巡るストーリーもなかなかよくできていました。

……とは書きましたが、クリアするまではキャラクターの薄っぺらい扱いが気になりました。
ファミコン版とは違い、主人公たちに名前がつき、それぞれのストーリーが加えられました。この進化は歓迎できる進化です。なんですが、キャラクターの書き込みが薄い。性格をほのめかせるストーリーが少ないために、唐突な感じが否めないのです。それで物語だけが進んでいく。
「もっともっとキャラクターを立てないと」なんて思いながらのプレイでした。

しかし、クリアしたら印象が変わりました。

FF3のストーリーは小説・漫画・アニメなどでありがちな成長物語ではありません。クリスタルを巡る冒険物語が主軸です。
だから、あえて残酷に書けばキャラクターはおまけで、もっと極端に書けば、主人公たちは物語のコマにすぎないわけです。
(ファンに怒られそうな乱暴な表現で、気を悪くしたらゴメンナサイ。悪意はありません。)

その結論に至ったとき、「まあこれもありかな」と思ったわけです。

キャラクター重視ではなく、冒険物語重視というのが、いかにも1980年代RPG的だなと思うのです。
つまり、ゲームの要素の一つである「ごっこ遊び」を体現するには、キャラクターの書き込みは「ごっこ遊び」にとっては逆に邪魔になるんですよね。

DQだと1作目から3作目まではキャラクターはそんなに立っていません。2作目はキャラクターがいないことはないですが、扱いは薄いです。4作目以降、主人公たちのキャラクターがゲームによって設定されています。
FFも1作目から3作目はキャラクター設定は薄く、4作目以降にはキャラクター設定が大きくなります。FF2作目は、主人公たちよりもその周りを巡るキャラクターの方が大きなウエイトがあったように思えます。

そういえば、かつて『ドラゴンクエスト4コママンガ劇場』という投稿漫画がありました。この漫画における主人公の扱いが、ゲームにおけるキャラクター性を象徴しているように思えます。
1作目から3作目まではゲームの中でキャラクーの設定が薄い分、作者ごとに違ったキャラクターの描かれ方が見られました。作者ごとの主人公がいて、同じ主人公なのに、違ったキャラクターが楽しめる状態だったのです。まさに描き手の自由がありました。
4作目以降からは、ゲームの中でキャラクターが設定されます。決められたキャラクター設定の元で創作漫画が描かれていました。


ゲームやアニメのように多額のお金を動かさねばならないコンテンツ産業は、メディアミックスを狙わなくてはなりません。
こんな時代だからこそ、このFF3のようなゆるいキャラクター設定のゲームはなかなか出にくい状況になっています。

どちらがいいという問題でもありません。時代が求めているのも事実です。キャラクターを立てれば立てたで、物語を動かしやすくなるのも事実です。

FF3をクリアして、こんなことを思ったのでした。

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