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先日――11月11日のことですから、すでに1週間も前――ハドソンから販売されているニンテンドーDSソフト『パズルシリーズ Vol.11 ぬりかべ』をクリアしました。
総クリア時間は29時間02分06秒。パズルをやる人全体の中では早いのかもしれませんが、ソフトを買ってまでパズルする人の中ではそれほど早いタイムではないような予感がしています。
「ぬりかべ」とは『パズル通信ニコリ』に掲載されているパズルの1つです。盤面に書かれた数字を手がかりに黒マスと白マスを確定させていくのが目的です。ここに詳しいルール説明が載っています。
盤面に数字を埋めていくパズルや盤面一杯の数字から手がかりを探すものはあまり好きではありません。数多の同じような似たものから探し出すという行為が苦手なのです。『ウォーリーを探せ』も苦手ですし、「ランダムに配置された数字を1から20まで順に見つけなさい」といったミニゲームも苦手です。訓練で克服できるのか、はたまた素質なのかはわかりません。
逆に得意とするのは、盤面にあるいくつかの数字を手がかりに盤面を完成させるものです。まさに「ぬりかべ」はその最たる例です。他には「へやわけ」「橋をかけろ」「四角に切れ」なんかも比較的得意としているパズルです。
で、偶然入った中古ゲームショップで件の『パズルシリーズ Vol.11 ぬりかべ』を見つけてしまったのです。しかも安価! これは運命だと思い、購入にいたったのです。
ゲーム機というデバイスを通すことで、ふだんは紙の上でしか解かないパズルの解き心地が大きく変化しました。
「頭の中に浮かぶ」瞬間と「盤面に反映される」瞬間のタイムラグがほとんどありません。慣れてしまうと快適そのもの。快感でもあります。消すのも一瞬。消しゴムのカスも出ません。
快適が過ぎて手がすべり破綻することもありますが、それは単に僕の注意力の問題です。
インターネット上や携帯サイト上でもパズルで楽しめるところがあります。しかし、ゲームソフトとしてパッケージされることには大きなメリットがあります。
それは「終わりがある」ということです。
インターネットや携帯サイトでは、次から次と問題が配信されます。サイトが続く限り半永久的に問題は供給されます。「終わり」を迎えるためには、自ら需要を止める、つまりサイトのサービスから脱退するしかありません。
それはまるで「わんこそば」のようです。お椀をかぶせるという拒否サインを提示しない限り、そばの供給は続きます。
一方、ゲームソフトには「終わり」があります。もちろん繰り返し遊ぶことは可能ですが、区切りとして「終わり」があるのは重要です。「終わり」があるからこそ、征服感が得られます。達成感と表現してもいいかもしれません。
「わんこそば」でお腹を満たしても、そこで得られるのは充実感。店のそばを食べ尽くすことでもしない限り、征服感とは無縁です。達成感が包まれるとすれば、それは自分で事前に立てたクエスト(目標)をクリアしたときです。
征服感・達成感を演出するために「終わり」をうまく設定する。
単にパズルで遊びたかっただけなのですが、思わぬ収穫を手に入れてしまったようです。
■ハドソン『パズルシリーズ Vol.11 ぬりかべ』 公式サイト
http://www.hudson.co.jp/puzzle/nurikabe/
発売から1ヶ月以上経過していますが、いまだに僕のニンテンドーDSには『ドラクエ9』がささっており、プレイを楽しんだり、すれちがい通信にいそしんでいたりします。これだけ「寿命」の長いゲームは僕にとって初めての経験で、飽きずにプレイしている自分に驚いています。
以前の記事で、「ドラクエ9にはプレイヤーに工夫の余地がある」ような話を書きました。同じ趣旨の発言を『週刊ファミ通』で発見しました。確か堀井雄二さんだったと思うのですが、失念しました。『ドラクエ9』を開発するスタッフの1人であるのは間違いないはずです。そこでの発言内容が、ズルする余地をあえて残しておくというものでした。システム上の穴であるかもしれないけど、そこをプレイヤーが見つけて楽しんでくれるのであれば、それもいい。そんな発言だったのです。
穴があるなんていい加減ではないかと攻撃対象になりかねない発言ですが、実に意味深い発言であると僕には思えるのです。
過去のドラクエシリーズを見ても、『ドラクエ2』の「はかぶさの剣」、『ドラクエ3』の「ゾーマにベホマ」、『ドラクエ4』の「838861G」、……などなど、これらが偶然であれ意図的であれ、ズルともいえる裏技・テクニックが存在していました。僕らが過去のゲームを思い出すとき、または話題として俎上に載せるとき、ゲームの内容だけではありません。こんな裏技やデマ、伝説めいた噂を含めて、身近な人とやり取りした思い出とセットとなって思い出し、口にするのです。
今作である『ドラクエ9』であれば、すれちがい通信でやり取りする「宝の地図」が後の世まで語られることでしょう。
クリア後のお楽しみである「宝の地図」。「宝の地図」とは、強いモンスターやボスが潜んでいる代わりに、レアアイテムを手に入れるチャンスが得られるダンジョンの場所を示したものです。
すれちがい通信でやり取りしている「宝の地図」で、全国に名を轟かせたものが存在します。大量の経験値を与えてくれることでおなじみのキングメタル。特定階までダンジョンをもぐると、このキングメタルしか登場しない地図なのです。まさに経験値稼ぎ放題。他にもレアアイテムの登場確率が高い地図も存在し、これも全国のプレイヤーでやり取りされています。これらの地図は「まさゆき地図」「ロッカーの地図」と固有の愛称で呼ばれています。
例えば、今の中高生が10年も経った頃『ドラクエ9』を話題にするとき、きっと「まさゆき地図」「ロッカーの地図」がキーワードとして登場するのでしょうね。
「ドラクエ9っていえばさあ、ええっと、ほら、何かあったじゃん。すんげー地図。」
「ああ、あったあった。キングメタルばっか出るやつ。」
「そうそう。まじん斬りの会心の一撃で、経験値がっぽがっぽだったやつ。何だっけ? あの地図。」
「ええっと、ここまででかかってるんだけど……。」
「まさゆき地図!」
「そう、まさゆき! まさゆき!」
「あと、ほら! ロッカーの地図なんてのもあったじゃん!」
「おお、そんなのもあった、あった!」
こんな会話がいつかできるかと思うと、ちょっとワクワクしてきます。ただ、僕がすでに30歳で、10年後なんかに誰を捕まえてこんな話をすればいいのかが問題なのですが。
何年経っても、そのときの感覚や空気を呼び起こしてくれる強さがドラクエにはあるのでしょうね。これこそ大作が大作たるゆえんだと思うのです。
(もうちょっとだけつづく)
連日、『ドラクエ9』の話題を綴っています。まだまだ話題が尽きることがありません。話題のフックの多さに、超大作の威厳を感じているところです。
この前から「すれちがい通信」について書いています。
事前に想像していた以上に「すれちがい通信」は面白いです。偶然通い合うすごさを感じています。見ず知らずの誰かと通い合っている感覚が新鮮で面白いのです。
名前も声も顔も知らない誰かと『ドラクエ9』を通じて通い合う。これってちょっとした「奇跡」です。行動を共にするとか、賢くなるとか、命が救われるとか、そんなことは一切ありません。でも、同じ『ドラクエ9』を購入して、「すれちがい通信」を行い、そして、偶然同じ場所に居合わせる。そこでメッセージを交換する。この「つながっている感覚」は、他ではなかなか味わえるものではありません。
この「つながっている感覚」はラジオに通ずるものがあります。TBSアナウンサーの小島慶子さんが自身の冠番組「小島慶子 キラ★キラ」内で時に語っていることを連想します。――ラジオ番組という場を共有し、そこで互いにメッセージを発信する。たとえどんなくだらない内容だとしても、ラジオならば無防備にくだらない内容を語り合える。時には、そんなくだらない話に救われることだってあるかもしれない。そんな話を、見ず知らずの誰かとできるラジオという場を大切にしたい。――こんな内容です。
ラジオ番組と『ドラクエ9』。無防備に誰かと「つながっている感覚」を共有できるのは素敵だと思うのです。
※なお、小島慶子アナウンサーの「ラジオ論」については、『週刊アスキー 2009年7月7日号』の連載記事「え、それってどういうこと?」に詳しいです。非常にお勧めです。
「すれちがい通信」のメッセージ機能で、もっともっとくだらなく、かつ、面白いことはできないものでしょうか? 販売総数300万を超えたソフトです。1つのメディアです。楽しいことができそうな予感がするのです。可能性の大きさに期待しています。
(つづく)
「すれちがい通信」に面白みを感じています。海の日である7月20日(もう10日以上も前です)、上野の国立科学博物館で開催していた「ガリレオの天体観測から400年 宇宙の謎を解き明かす」展を訪れた際、「すれちがい通信」をずっと行っていました。
「すれちがい通信」とは、特別なダンジョンの位置を示す地図やメッセージを交換する機能です。一連の手続き(簡単な操作です)をした『ドラクエ9』を持って街中に出るだけ。あとは勝手にニンテンドーDS本体側が通信を行ってくれます。
交換できるメッセージは19文字×3行の計57文字。ひらがな・カタカナとほんのわずかな記号しか使えません。この中で何を表現するのか思案するのも楽しい作業です。
海の日に僕が設定したメッセージは下のようなものです。
もおぉ いいくつうねーるーとおぉぉ
おーしょーおーがああつうう♪ ……って どれだけ ねるきやねん! |
くだらないことを書いてクスリと笑ってもらえればいいなと思って書きました。元ネタがあるのですが、何だかわかりますか?
他の人のメッセージにも魂のこもったものがたくさんありました。勝手ながらいくつかご紹介してしまいます。
パルプンテ!!...むなしくこえがひび
くだけだった。 |
あ、ごめんなさい。
それ らいげつからなんですよ。 ごめんなさいね。 |
ゆうていみやおうきむこうほりいゆうじと
りやまあきらぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ ぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ |
はんしんしっかりしろ! |
はじっこ だいすき♥
はちおうじからアキバえんせいにきちった よん★★★ |
この日、50人の方と「すれちがい通信」を行ったのですが、どうもはじめのほうの何人かは上書きされてしまったようで、存在が見当たりません。惜しいことをした気分です。後で調べたら、30人を超えると古い方から上書きされてしまうそうです。説明書に書いてあったのを逃していました。
上書きしてしまった20人余りのメッセージが気になります。
(つづく)
7月11日に発売開始された『ドラクエ9』。クリアして感じたことをしたためています。
このソフトを作るのにどれだけの労力がかかったのでしょう。職業やスキル、モンスターにアイテムなど扱うデータは膨大です。かつてチュンソフトの中村光一さんが「エクセルでゲームをつくっている」という趣旨の発言をしていましたが、この『ドラクエ9』にも同じ苦労を感じます。とはいっても、ボリューム超大の傾向は『ドラクエ』に限らず、他のソフトでも同じなのでしょう。頭が下がります。
『ドラクエ』シリーズの魅力を語るならば、それこそ際限なく挙げられるでしょう。それでもあえて1つだけ挙げるならば、「攻略法の答えが1つではなく、プレイヤーの工夫の余地がたっぷり用意されている」ことです。
「攻略法が1つしかない」ゲームをプレイするとき、それは「遊んでいる」のではなく「遊ばされている」感覚を抱きます。けれども、『ドラクエ』シリーズは違います。ボスを倒すのにも、経験値をためるのにも、ゴールドを集めるのにも、プレイヤーの工夫の余地があります。表現を改めれば、独自の工夫を発見する喜びに満ちている、ということです。
ドラクエがドラクエたる安心感。ブランドに驕らず、ドラクエらしさがしっかり守られています。
これを思うと、『ドラクエ9』にかかった苦労が偲ばれます。
僕はドラクエのナンバリングタイトルのうち、『6』『8』は未プレイです。それ以外はエンディングまでプレイしています。昔からドラクエに慣れ親しんでいる僕にとって、懐かしい要素が散見されました。『ドラクエ1』のモンスター○○○の再登場には驚きました(『6』『8』に登場している可能性はあるのですが)。あのモンスターが立体的になって動く! オールドプレーヤーはこれだけでも一見の価値ありです。『ドラクエ2』の○○○○○○や○○○○も懐かしいモンスターです。『ドラクエモンスターズ』にはおそらく登場しているのでしょうが、プレイしていないので、こいつらが登場するのがただただ懐かしく、うれしかったです。『ドラクエ3』をアレンジした曲も登場しました。○○○○○、○○○○との○○の曲には懐かしいフレーズが聞こえますし、○の○○の洞窟のテーマ曲は、ほぼそのまま『ドラクエ3』で流れたものです。『ドラクエ3』の○○との○○の曲も流れます。
それにしても「はぐれメタルがあらわれた!」というフレーズ。何度見ても興奮します。完全に刷り込まれています。幸せなことです。
(つづく)
自分のアンテナに引っかかった面白いもの、興味惹かれるものも収集して記録しています。
不定期連載です。気の向いたときにお立ち寄りください。
http://bookdiary-k.blogspot.com/
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